水道水のにおいが気になりますか? “におい”にはさまざまな理由が考えられます。
かびの“におい”がする場合
水道局も水道法に定める基準以下になるよう運転管理に努めているところですが、基準値以内でも臭いに気づかれる方もいらっしゃいます。しかし飲み水としての安全性については問題ないようです。
生ぐさい“におい”がする場合
ダムや池を水源にしている場合、季節の変わり目、特に秋から冬にかけて、生臭い“におい”や、泥臭い“におい”がする時があります。これは、水の比重の差によって、夏場に暖められたダムや池の水の下部に、冷たい秋や冬の雨水(川の水)が潜り込むことによって、底の泥から溶けだした生臭い水がおしあげられ、水道水に臭いをつけることがありますが、水道法に定められた50種類の水質検査項目では検出されません。また、飲み水としての安全性については問題ないようです。
さびくさい“におい”がする場合
水道管中に水道水が長く滞在している場合(朝一番の使い始め等)に、水道水に鉄や銅、亜鉛等の金属っぽいの〝におい”がすることがあります。その場合は、水をしばらく流しっぱなしにして水を捨ててからご使用ください。(金属っぽいにおいが消えるまでの水の量は、状況によって異なります。時間を変えてお試しください。)
また、火災の消火等で、一度に大量の水をお住まいの地域で使用した場合、水道管の中を急激に大量の水が流れたことにより、金気のにおいが出ることがあります。一時的なものだと思いますので、しばらく流しっぱなしにして捨て水をしてください。
そのまま飲んでも大丈夫かどうか
迷ったときや不安が大きいときにはそのまま飲まずに、水道局や当社へご相談くださるほうが安全です。
東京都水道局の取り組み
東京都水道局ではより安全でおいしい水をつくるため、オゾンと生物活性炭による高度浄水処理の導入を進めています。高度浄水処理では、かび臭の原因物質をほぼ完全に分解・除去することができます。また、カルキ臭の主な原因物質であるトリクロラミンについても、ほとんど生成しません。一方、高度浄水処理が導入されていない通常の浄水場では、水源でかび臭が発生した場合などには、粉末活性炭を加えて処理を行っています。
消毒用の塩素のにおいについても、都内131箇所の給水栓に設置している自動水質計器のデータを活用し、消毒に必要な残留塩素濃度を保ちつつできるだけ低くするように努めています。
出典:東京水道局『トピック第8回 水のにおい』https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/suigen/topic/08.html